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| 聴 法 録 114 |
聴法録114-1
悪の習慣と争い得るのは、たった今だ。明日はもう不可能になる
明日を考えぬようにするのは、最も善いことだその代わり、現在只今のことを考えよ。不断にこれを続けることは、生涯の為に最も重要である。
私達の行動の尊さは、現在の瞬間にある。これ以外に貴重なものは無い。
人との交際に於いて、未来の思想に囚われていると、現瞬間の思想を正しく認識することは不可だ。この瞬間の思想こそ、人生の最重要事である。これを正しくする習慣を作らねばならぬ。現在が大切だという思想を堅固に持する事は、多くの悪を避けるに良い方法である。
過去や未来を、余り考えすぎると、現存から遠ざかり、孤独を感じる様になる。そして終わりには自由を失ってしまう。
幾分か幾秒かの後には、死んでゆかねばならないのだと思うと、誰でも煩悶せずには居られないが、然し、これは無益な煩悶だ。人間の生命には、過去も未来もないただ現在のみがある。これは、今も百年後も変わりないのである。
人間は自由を持っていない人間の行為には、これに先立つ原因が潜んでいて、唯それに従うのみである。‥‥とある人々は言う。如何なる場合にも、人間は現在に生きている。だが、現在という瞬間は時間の外に存在していて、過去と未来とを区別する微妙な境界線である。人間は、この現在に於いてのみ、自由を得ているのだ。
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聴法録114-2
内在する真実の生命の力の現れるのは、ただ現在に於いてのみだから、この瞬間の働きに、智と善とを与えるようにせねばならぬ
ある人が賢者に質した。
「どんな行為が最も重要で、どんな人が最も尊いのでしょう。又、どんな時間が生涯のうちで最も貴重でしょうか」
「最も重要な行為は、万人を愛する事だ。愛は人間の行為の中核をなすものである最も貴い人は、現在の動きに密接な関係もつ人でなければならぬ。現在以外に、人間の生涯にはなにもあり得ないのである。人間の生涯中、最も貴い時間は、この瞬間を措いて他にはない筈だ。人間は現在に於いてのみ、自由なものであるからだ。‥‥」
と賢者は答えた。
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