聴  法  録  304

聴法録304-1
謙譲は、完成のために避くべからざる状態である。「もし私がそんなに偉かったら、その上どこに完成する事があるのだ」

我が子達よ、親切を以ってお前たちの仕事をなしたとき、お前たちは愛を受けるに足るのだ。お前たちが偉くなればなるほど、ますます謙譲であれ。高貴と栄誉との中に生きているものは多いしかし神秘はただ身分低きものの中にのみ隠されいるのだあまり困難でありとしてお前たちの力では及ばないものを求めてはいけない。しかしお前たちに命じられたことについては、尊敬を持って考えよ。お前たちに必要でないものに好奇心を動かしてはならぬ。お前たちの眼のまえには、お前たちが理解し得るより以上のものが常にあるのだ。多くの者が、浮誇的な愚かな意見をもって自らを欺いている。故にお前達よ。自らの者でない知識を誇るものではない。

キリストはそこで彼等を呼んで言った。「お前たちも知っている通り。貴族が民衆を支配し王候がその上に君臨している。お前たちの間にお前たちのの間で偉大であろうと欲する者は、かくの如きことがあってはいけない。お前達の間で第一であろうと欲する者は、お前たちの下僕となるであろう。お前達の間で第一であろうと欲する者は、お前たちの奴隷となるであろう。かくして人間の子は、人々が彼に奉仕するためにではなく、多くの人々の贖罪のために自分の魂を奉仕せしめそして投げうつために来たのである。」

人から侮辱され、そして平静にその侮辱に耐ええて報復を試みないものは、この世の中に於いて偉大な勝利を得たものである。

貴方の友人のある者達はあなたを批難し、或る者達はあなたを称賛するであろう。貴方は、悪くいうものに近づき、賞めそやかす者から遠のいた方がいい、

自分に相応した所よりも低い場所を占めよ。他人からは「お下がりなさい」と言われるよりも、「お上がりなさい」と言われる方がいい。自らを高いところ置くものを、神は下げる。自らを謙譲する者を、神は上げる。

今直ちに、あなた自身の中にある全ての支配欲を亡ぼしてしまえ。虚栄を警戒せよ。栄誉と賞揚を探し求めるな―すべてこれ等の者はあなたの精神を滅亡させるだけである。自分が他人よりも優れているという考えに注意せよ。自分の内に在りもしない道徳が、あなたを美しくしているという考えを警戒せよ。

聖賢は如何に自分自身に対して厳格であっても、他人からは何一つ要求するものではない。聖賢は自らの状態に満足しているものである。そして決して自分の運命のために、天を恨んだり他人を咎めたりするものではない。それ故に、低い運命の中にあっても、運命に対して恭順であるのだ。単純な人間たちは、地上の栄誉を追い求めて、危険に落ちて行く。
射撃をして的に当たらなかった時は、射撃した自身が悪いので、他人が悪いのではない。聖賢は、かくのごとく自らを振舞う。

貴方がたの中の偉大なる人は、貴方の下僕であるだろう。何故ならば、自らを徒に高きにおくものは下り、自らを低きにおくものは上がるものであるから。

貴方が為した悪いことは記憶せよ、その為にあなたは悪いことをなさないようになる。しかしもしあなたが為したよいことを記憶していたら、それは貴方がよいことを成すために邪魔となるだろう。