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| 聴 法 録 308 |
聴法録308-1
生と死とは二つの限界である。これ等の二つの限界を超えた彼方に、或る一つのものがある。
人間は、高貴なるあるいは卑しむべき人生を送り得ると同じように、高貴なる死をあるいは卑しむべき死を遂げ得るものである。私達の心霊的な自我は、それ自身の中に与えられている力に打ち克つことは出来ないものである。それにも関わらず寄生的なものに負かされたり或は自身の妥協すべからざる力に服従した自我は、この高き天命である死を拒絶しそして自身が治めるべきこの聖地から追い出される。しかも結局に於いてそのことを恥じそして苦しむのである。けれどもこれとは反対に、この聖にして正しき天命を成し遂げそして自らの心身を神の生と愛とによって輝かせる自我がある。それは、よき労働者の如く自身の仕事に対して自身の道具を用い、自身に与えられたあらゆる材料を聡明に費やし得る自我である。そしてかくの如き自我は、静かに平和に道具と材料とを置き、自身に与えられていない所のあらゆる目的によって完全に変質されることなく、自身に天命づけられたこの他の世界へと這入っていくものである。
死と言うものはない。ただ私達が更に経験しそして尚次第によりよく経験するであろう所の変化の並列があるのだ。
人間の心は、肉体と共に完全に滅亡し得るものではない。心からは或る永遠なものが残るのである。
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