聴  法  録  383

聴法録383-1
私達の行動の貴さは、現在の瞬間にある。これ以外に貴重なものは無い。
悪の習慣と争い得るのは、たった今だ。明日はもう不可能になる明日を考えぬようにするのは、最も善いことだその代わり、現在只今のことを考えよ。不断にこれを続けることは、生涯のために最も重要である。

人との交際に於いて、未来の思想に囚われていると、現瞬間の思想を正しく認識することは不可だ。この瞬間の思想こそ、人生の最重要事である。
これを正しくする習慣を作らねばならぬ。現在が大切だという思想を堅固にすることは、多くの悪を避けるに良い方法である。


過去や未来を、余り考えすぎると、現在から遠ざかり、孤独を感じる様になるそして終わりには自由を失ってしまう。

幾分か幾秒かの後には、死んでゆかねばならないのだと思うと、誰でも煩悶せずには居られないが、然し、これは無益な煩悶だ、人間の生命には、過去も未来もないただ現在のみがある。これは、今も百年後も変わりないのである

人間は自由を持っていない人間の行為には、これに先立つ原因がひそんでいて、唯それに従うのみである。…とある人々は言う。如何なる場合にも、人間は現在に生きているが。だが、現在という瞬間は時間の外に存在していて、過去と未来とを区別する微妙な境界線である。人間は、この現在に於いてのみ自由を得ているのだ。

聴法録383-2
内在する真実の生命の力の現れるのは、ただ現在に於いてのみだがら、この瞬間の働きに、智と善とを与えるようにせねばならぬ。

ある人が賢者に質した。
「どんな行為が最も重要で、どんな人がもっと尊いのでしょう。又、どんな時間が生涯のうちで最も貴重でしょうか」
「最も重要な行為は、万人を愛することだ。愛は人間の行為の中核をなすものである最も尊い人は、現在以外に、人間の生涯にはなにも、あり得ないのである。人間の生涯中、最も尊い時間は、この習慣を措いて他にはない筈だ。人間は現在に於いてのみ、自由なものであるからだ。…」
と賢者は答えた。