聴  法  録  424

聴法録424-1
妄信を維持するもの
ある事柄や風習、津法などに対して、尊敬が厚ければ厚いだけ、実行力は強くなる何事に対しても、私達は、力の及ぶ範囲を、よく見極めなくてはならぬ。

真理と思われるもののうちには、古びたものや、信じかねるものも少なくない。然しそれはただ一時的のものである。心を落ち着けて見極めると、真理は常に真理である。

叡智は、宇宙最大の実在である。私達が、彼の名を盗用するのは、大いなる過ちである。彼を隠蔽する術はない。又、悪用する方法もない。

思想の発達史を紐解くと、思想を誤り、又はこれを悪用した例証に乏しくない。ある民族は、妄信や誤った思想に囚われて、哀れな運命の犠牲者となりおわせ、自分たちよりも愚かなるものや痴呆者、欲に溺れたるものの前に、潜伏している。妄信や痴呆症にかかった者は、小児までも馬鹿げたことを為し、欲に溺れたものは、軽躁な事にも随喜渇信するようになる。

われ等の時代は、「批判の世の中」である。自由にして多角的な批判の習練に耐えることと、真実の論議に適当な敬意を表すことを忘れるな。

風俗や巷説、昔話などを、批判的な智慧が破壊するからとて、彼をおそれることはない。智慧は、風俗、巷説、昔話などを消滅させても、その後へ真理を樹立することを決して忘れないのである