聴  法  録  427

聴法録158-1
人智
智慧とは、一体何者なのか。智慧は智慧というほかに良い定義はない。だが、如何なるものを智慧とすべきかは、大きな問題である。若し、宇宙を智慧とした場合は、どんな定義を下すべきであろう。だが、本当は、もっと容易く、考えた方が、よくないか。そうすれば、却って理解し易く、何等の疑念も無くなるように思われる。

人間が持っている特別なものは、その心中に潜む内在する真実の生命であろう。
この真実の生命のことを、智慧といい、時には良心ともいう。真実の生命は、時間や空間を超越して、絶対真理と永久の正義とを含んでいる。真実の生命は一時的であり、公平であって、人生に於ける不公平と自我の愛に反対する。真実の生命は一種の権力を以って私達人間に教えて言う。
「汝の隣人は、汝等の如く尊く、隣人の権利は、汝等の権利と同じように神聖である真理がいかに汝の傲慢を挫こうとも、如何に汝の損失となろうとも、これに反対せず、ただただ正義であれ。」真実の生命は、人々を美と神聖と幸福とに導き、愛の喜びを与える。真実の生命は、人々うちにある神(内在する真実の生命)の輝きそのものである。


私達の知識は、智慧によって発展する。だが、智慧を握るなと説く人もある。この声に耳を傾けてはならぬこの種の人は、闇夜の道しるべたる燈火を消せという人である。

智慧は、人間の生涯の意義とその価値とを明瞭にする力を持つ。

人間の本質は、神(真実の生命)の如くであるから、正義そのものでもある。正義の念は、人々に内在する真実の生命に不死の偉大さを与えている。