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              聴  法  録 81

聴法録81-1

天地が生じる以前に、混沌として区別のできない物がある。
それは、寂寥としており、それ自身、独立(独自に存在)しており、
新しくなると言うことも無く、あまねく巡り巡って行き渡らないと
言うこともない。以って、これを天下の母と為す。

私はその名を知らないが、これを名づけて「道」と言う。
また、強いてこれに名前を与えて、「大」、大いなるものといい、
この「大」を「逝」、行くものといい、
この「逝」を「遠」、果てしの無いものといい、
この「遠」を「反」、返りくるものという。

故に、
「道」は「大」なり。
「天」は「大」なり。
「地」は「大」なり。
「人」、また「大」なり。

宇宙に四大があり、人はその一つに居る。
人は地に法って地であり、
天に法って天であり、
道に法って道となり、道はまた、自然に法る。
聴法録81-2

天地が生じる以前、つまり、この地球が生じる以前に、混沌として
区別すら出来ないような<何か>が存在している。
それは物として、この世に姿を現す以前の<何か>であり、目にも見えず、耳にも聞こえず、宇宙の暗黒静寂の世界から、自然の法則によって、次第に物としての形を生じ、道のままにそれぞれの本性を成し、それぞれの形を完成する。
そして、この万物の根元たる<何か>は、宇宙に遍く存在し、常に流れてとどまることもなく、流れに応じて様々に変化しつつ、生滅流転を繰り返す。それが宇宙の姿である。

万物(宇宙に存在するすべてのもの)は、相互に微妙に影響し合っている。例えば、太陽と地球、地球は太陽の周囲を周回している。遠心力と引力のバランスが釣り合っている限り、太陽に衝突する事も無ければ、太陽から離れる事も無い。しかし、そのバランスは、他の惑星や太陽系以外の星系統と極めて微妙な関係性の上に成り立っており、何かのバランスが崩れれば、当然その影響は個々の星々に及ぶだろう。しかし、それでいのちの根元が消える訳ではない。それは、空間に遍く存在する<何か>、総てを生じる根源的<何か>である。それによって、「道」の働きは止むことなく続く。

原子核の周りにある電子、これは自転(スピン)をし、ペアを作らない電子のスピンは磁力を生じる。地球全体は巨大な磁石、そして、自転をしている磁性体である。この様な磁力の生じる元はペアを作らない電子のスピンなのである。(スピンの向きが反平行の二個の電子は互いに磁力を打ち消しあって非磁性体となる。)磁性体と非磁性体、これは、そのものの不安定状態と安定状態を現し、安定状態にあるものは、求めず、迷わず、自ら一であり全体であり得るが、不安定状態にあるものは、常に動き回り、自らが安定状態になるまで、他に影響を及ぼしながら、天地をさ迷い続ける。そして、この世を見ても、宇宙に繰り広げられている星々の世界を見ても、相互に影響し合っているこの宇宙にあっては、安定したものさえも、その安定は永遠に続くものではなく、ほんの一伊那の事、総ては無常である。

例えば、温度の変化だけでも原子の動きは影響されるのである。
温度が高くなれば、原子の動きは活発になり、温度が下がれば、原子の動きは鈍る。これらの状態の変化はすべて大いなる自然の法に則したものであり、すべてのものは、ある点に達すれば、急激に大きな状態の変化を生じる。そこでは、すべての解放があり、解放されたものは、そのまま又新たないのちを生じ、形を生じ、地にあっては地に生き、天(宇宙)にあっては、天を生きる、そうやって、総ては道に法って、そのいのちのまま、状態の変化(生死)を繰り返す。そしてそれを知る事は、時空を超えて、今ここに(宇宙に)過去も未来も総ての状態が存在する事を知る事になるだろう。